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腎臓内科医の診療日記㉝

いつの間にか年末になり、今年の流行語大賞とか、今年の漢字が発表された。予想どおり、自粛警察という言葉が流行語大賞にノミネートされていたので、なんとなく嬉しかった。先週放映された旅バラエティ番組にも、別府温泉の古い建物の前に、ヘルメットをかぶった私が、芸人さん達が歩いている後ろに一瞬映りこんでいたので、それも嬉しかった。番組がネットにも出ていたので、家族ラインにそのアドレスを送信して自慢したところ、既読スルー(注:メッセージを読んだにも関わらず、なんの返信もせず、相手に興味がないことをそれとなく悟らせるメッセージアプリの残忍な手法)されたが、いつもの事なので、特にヘコむ訳でもない。それなら、自分の映っている場面をスクショ(スクリーンショットの略で、画面をそのまま写真にとって保存すること)して送り付けてやろうと思ったら、アプリの仕様でスクリーンショット機能が使えなかった。今度、食事の時に食卓の上にスマホを置いて、番組をメシくいながらみせてやろうと思う。便利な時代になった。

日常的な運動習慣として水泳を始めてから3年たった。最近は週に5日ほど通って、毎回1時間くらいかかって1000メートル泳いでいる。今年3月に、白血病の治療のために長期休養していた水泳の池江選手が、ようやく練習に復帰して2時間で3000メートル泳いだというニュースがながれ、当たり前だが格の違いに驚いた。10年近く前に、自分の父親が白血病で亡くなってしまったのだが、治療中にみるみる体力や筋力が衰えて、一時帰宅した時には歩くのもやっとになってしまった姿を覚えている。池江選手も病気になる前の体形と比べると、ずいぶん筋肉が衰えてしまったようにみえたが、その体でいきなりその運動量か、とブッタマゲた。8月にはレースに復帰し、新年早々にも100メートル自由形のレースに出るというニュースが数日前に入ってきた。

アナウンサーの辛抱さんが、来年春から太平洋ヨット横断に再チャレンジする事を決めた。年齢は64歳である。辛抱さんは、2013年にも全盲の方と一緒にヨット太平洋横断に挑んで、出港5日後にクジラと衝突して、命からがら自衛隊に救助されたことがあり、各方面から大変な非難を受けた。そういう過去があるため、今回のチャレンジにもさまざまな意見があるだろうが、私はとにかく格好良いと思った。今年は多くのマスコミが、愚かな集団ヒステリーを煽っている中、ラジオやテレビの番組で、理路整然と騒ぎの愚かさや、それが起きている構造、現時点で効果的と思われる対策をわかりやすく解説して、専門家や政治家に鋭く疑問点を指摘する姿も、とても格好良い。自分も、こうありたいと思った。

今年は他にも素敵な事がたくさんあった。来年も楽しみである。