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腎臓内科医の診療日記⑫

ムーという雑誌がある。創刊40周年を迎え、それを記念してパルコのパルコギャラリーでムー展が開催されていたので行ってきた。とても面白かった。雑誌のキャッチコピーは「世界の謎と不思議に挑戦するミステリーマガジン」となっているが、わかりやすく言うとUFOや超能力、怪奇現象、未確認生物など、非科学的な題材を特集し続けている雑誌である。鳩山由紀夫元首相も愛読者であるとwikipediaには書かれている。ネット情報は、どこまで本当かわからないが、鳩山さんの顔は宇宙人に似ているので、本当に読んでいると思う。私は特に愛読者という訳ではなかったが、昔から存在は知っていた。私自身、不思議な体験をした事もあるが、頭が変だと思われるのも嫌なので、あえて話そうとは思わない。というか、たぶん既にそう思われているので、このくらいにしておいた方がいいと思う。

超能力や宇宙人というと、テレビで超常現象肯定派と否定派が言い争っている番組がたまに放送されていて、ついつい見てしまう。お互いに思い込みが激しく、相手の言っている事があまりにも受けいれられず、毎回激しいケンカになっていく。テレビ演出もあるだろうが、たぶん、結構本気でやっている。肯定派の人たちのエキセントリックな思い込みは微笑ましく思えるのだが、気になるのは、それを否定する科学者の方である。「超常現象などありえない」という思い込みや、科学的証明がされていないという理由で、頭から否定しているようにみえるのである。歴史的にみても、昔は不思議で説明のつかなかった出来事が、後世になって科学的に証明されていった事例はたくさんあるし、無限に広がる宇宙や地球上の驚異の自然現象を、自然のごく一部である人間が、現時点で説明しきれる訳がない。

それに似たような事が、自分の身の回りでもある。このような事を言うのが自分の立場で適切かどうかはわからないが、「一般的な」病院で働く医療スタッフは、薬物治療を主体とした西洋医学に洗脳されすぎていると思う。なにか体に異常がおきると、医学的にわかっている範囲の理屈でそのメカニズムを説明し、そこに作用する薬を使って治療する。確かに薬を使って、よくなる症状は多い。何もしなければ死んでしまうような重症な場合でも、薬を使って回復できる事もある。透析患者さんが透析を中止すると、早ければ数日で死んでしまう。そういった「必要な」西洋医学もあるのだが、ある程度の不調に関しては、薬など使わずに自分で治す力が誰にも備わっているのを忘れていないだろうか。自然治癒力だけですべての不調を治せるとは言わないし、薬や手術に比べて即効性は無いけれども、うまく利用すれば、より良い治し方が出来ると思うのである。医者は薬を使うだけでなく、どうすれば眠っている治癒力を引き出す事ができるのか、という事にもっと目を向けた方がよいと思う。